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2011年2月10日

人工抗原樹状細胞ワクチン療法

人工抗原樹状細胞
ワクチン療法とは?
人工的に合成したがんの目印(人工抗原)を使用できる方が対象になります。 使用する人工抗原には、がん抗原としての優先度が最も高いと評価された「WT1」の一部である「WT1ペプチド*」をはじめ、個々の患者さまのがんの種類や血液検査、組織検査などの指標に基づいて、数種類の中から選択して使用します。
*「WT1ペプチド」を用いた樹状細胞ワクチン療法は、樹状細胞ワクチン療法の研究開発企業であるテラ㈱が独占実施権を保有している為、セレンクリニックをはじめとした、テラ㈱提携医療機関のみで受けられる治療です。
治療の流れ 1.患者さまから成分採血(アフェレーシス)によって得られた樹状細胞のもととなる細胞を、樹状細胞へと培養していきます。
2.培養途中で患者さまのがんに特徴的な人工抗原(人工のがんの目印)を樹状細胞に加えることで、樹状細胞にがんの特徴を認識させます。
3.さらに培養を続け、リンパ球(攻撃部隊)を教育できる、能力の高い樹状細胞へと成長させます。(成分採血からワクチン完成まで約3週間かかります)
4.樹状細胞ワクチンを、脇や股といったリンパ節が集まっている皮膚の近くに皮内注射します。(2週間毎に5~7回注射します)
5.注射された樹状細胞は体の中で、記憶した患者さまのがんの特徴をもとに、リンパ球にそのがんだけを攻撃するように指令を出します。
6.指令を受けたリンパ球は活性化され、増殖し、そのがんを狙って攻撃します。
他の治療との併用 ほぼすべてのがん治療(手術、抗がん剤、放射線療法、緩和医療、など)との併用が可能です。
準備いただくもの 紹介状(診療情報提供書)、血液検査データ(過去から現在にいたるまでの血液データ)、画像検査データ(レントゲン、CT、MRI、PETなど)、心電図、薬剤リスト
※上記の準備ができない場合でも医療相談は可能です。
備考 人工抗原樹状細胞ワクチン療法を受けられない患者さまには、局所樹状細胞ワクチン療法または活性化リンパ球療法をご検討いただけます。

Q、治療をずっと先まで続ける必要がありますか?

A、セレンクリニックでは、1セット5~7回の投与を終了した時点で、免疫機能検査や免疫反応、画像検査や腫瘍マーカーなど、できるかぎり客観的指標に基づいて治療の効果判定を行い、今後の治療方針を患者さまと相談していきます。

ワクチンの特性上、目的とするがんの目印に対する免疫反応が一度体内に記憶されてしまえば、少なくともそれが維持されている間は、繰り返しワクチンを投与する必要はないと考えられています。

ただし、さまざまな要因によって個人差が生じることが分かっています。
例えば、ワクチンは、患者さまの細胞を用いて作製することから、ワクチンの質や本数は成分採血(アフェレーシス)時の個々の患者さまの体調によって影響を受けます。
また、ワクチン投与後の効果がみられるまでにかかる時間や効果の持続期間なども個々の患者さまの体内環境や免疫状態、がんの状況などによって影響を受けることが分かっています。
以上の理由から、セレンクリニックでは治療効果を最大限に引き出すため、1セット投与終了後も、できるかぎり客観的な指標に基づいて、免疫とがんの勢いのバランスを考えながら治療方針を検討していきます。
がん免疫の視点から継続的に、また、責任を持って個々の患者さまのがん診療を担当させて頂くよう、スタッフ一同心掛けております。

Q、治療にあたり、事前に主治医に伝える必要がありますか?

A、セレンクリニックの治療を実際に開始される際には、主治医には必ずご了解をいただいた上で、治療をお引き受けするようにしております。そのため、主治医に了解いただくためのサポートもしておりますので、ご相談ください。

個々の患者さまにとって最適ながん治療プランを構築していくためには、ただ単にこれまでの正確な診療情報や現状評価があれば良いという訳ではなく、がんの病態や治療の効果・副作用評価を「継続的かつ客観的に」行っていくことが必要です。

また、がんはあくまで全身病ですので治療の成否に関わらずさまざまな体調の変化が起こり得ます。したがって、信頼できる保険診療医療機関における継続的な診療体制との密な連携に基づいて、初めて成り立ちます。

しかしながら、セレンクリニックのがん免疫療法のように「現状では我が国の保険診療で認可されていない医療」に対する主治医の理解は必ずしも容易に得られるとは限りません。
なぜなら、自分の病院で行われていない医療については、よほどの経験や知識・関心がなければそれがどういう治療なのか医師は判断しようがないからです。
特に、がんの免疫療法の中には、医療とは無縁なものまで様々なものが存在します。
患者さまの医療に責任感をもって対応されている主治医ほど、そのような"怪しげなもの"に反対するお気持ちが生じるのはある意味自然な事です。

セレンクリニックではご希望に応じて、主治医にもできる限り詳細にご理解頂けるよう、個々の患者さま個々の病状やお考えに基づいた具体的な治療プランに関する医学的な診療情報提供書をご用意することが可能です。
あらかじめ主治医に相談することがためらわれる場合には、まずはセレンクリニックの医療相談を利用して、ご自身が充分に納得された上で、また、必要に応じてこちらで作成した主治医宛の診療情報提供書とともに、主治医と御相談下さい。

最初は遠回りに思えるかもしれませんが、結果的にはこの過程を経ることが御自身にとって最適ながん医療の構築につながるはずです。スタッフ一同、全力でこれをサポートさせていただきます。

Q、セレンクリニックならではの特長は何ですか?

セレンクリニックならではの樹状細胞ワクチン療法の特長は2つあります。

A-1、実際に樹状細胞ワクチン療法を受ける場合、どの「がんの目印(抗原)」を用いるかが特に重要です。
世界中の専門家によって「がんの目印(抗原)」の評価が行われておりますが(*)がん抗原の一つ「WT1」は、このランキングで第1位(*)(特異的がん免疫療法に、最も優先的に用いるべき人工抗原)に位置づけられており、セレンクリニックではこの「WT1」の一部である「WT1ペプチド」を使用することが可能です。
※セレンクリニックは、WT1ペプチドを細胞治療に応用する独占実施権を保有するテラ(株)から使用許諾を得ている数少ない医療機関です。
(*)Cheeve MA. Clinical Cancer Research 2009


A-2、セレンクリニックのもう一つの特長として、質の高い樹状細胞ワクチンを作製するために必要となる専門細胞培養施設、専門スタッフ、およびそれを厳格に運営するためのシステムが挙げられます。

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A-1、の詳細はこちら

樹状細胞ワクチンを作製する際に、どのような「がんの目印」が使用できるかについては、個々の患者さまのがんの種類やその時の状況によって、実際にはさまざまな制約を受けます。

例えば、自己のがん組織を用いるためには、手術でがん組織を切除する前にさまざまな準備をしておかなければなりませんし、多くの患者さまの場合、手術でがん組織を確保できるとは限りません。
この場合、人工的に合成したがんの目印(人工抗原)を用いることになりますが、個々の患者さまのがん細胞が持っている目印(人工抗原)を用いる必要があります。

現在、世界中でさまざまな人工抗原が開発されておりますが、セレンクリニックでは、世界的に特に有用と考えられるいくつかの人工抗原を選択して使用しています。
特に、「WT1ペプチド」という人工抗原は、ほぼ全てのがんが持っている目印であるため、これを用いることで多くの患者さまに樹状細胞ワクチン療法を受けていただくことが可能です。

セレンクリニックの最大の特長としては、この「WT1ペプチド」を樹状細胞ワクチン療法に用いることが可能(独占実施権保有)だということです。
これにより多くのがん患者さまに最先端の樹状細胞ワクチン療法を受けていただけます。

なお、セレンクリニックは、日本で初めてクリニックとして「WT1ペプチド」を用いた樹状細胞ワクチン療法を開始した医療機関です。
また、これまでに樹状細胞ワクチン療法の症例数が800以上と、一医療機関としては世界最大規模の実績をもつ医療機関です。

A-2、の詳細はこちら

セレンクリニックでは、テラ株式会社との技術提携により、細胞治療分野で日本の先駆的な研究室である東京大学医科学研究所(細胞プロセッシング寄附研究部門:2008年8月にて終了)で構築された、高度な細胞治療技術・システムを導入しております。特に、ワクチンを作製する工程は、欧米の学術論文の厳しい審査を経た、科学的信頼性の高い確かな技術を導入し、GMP*(Good Manufacturing Practice)グレードの厳格な施設で培養を行っています。

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Q、「がんの目印」とは何ですか?

A、免疫細胞は、相手の細胞が「がんの目印」を持っているかどうかによって、がん細胞かどうかを判断します。
このようながん細胞の証拠となる「がんの目印」を、専門的には「がん抗原(こうげん)」と呼びます。
体内の免疫細胞が、がん細胞を攻撃するためには、まず攻撃する相手が「がん細胞であること」を認識する必要があります。
このときに必要なのが、正常細胞には存在せず、がん細胞だけが持っている「がんの目印(抗原)」です。

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がん抗原とは?

例えば、インフルエンザワクチンは、ウイルス独自の目印をからだに注射することによって、からだの免疫がインフルエンザウイルスを認識できるように記憶するための治療(=ワクチン)です。
これと同じ考えに基づいて、「がん細胞独自の目印(がん抗原)」を注射すれば、体内の免疫細胞ががん細胞を正しく認識できるようになるのではないかという治療アプローチが、近年話題になっている"がんペプチドワクチン"の理論です。

しかしながら、もともとがん細胞は、自分の身体の正常細胞が突然変異したものですから、従来の科学技術では正常細胞とがん細胞のわずかな違いを見極めることができませんでした。
このため、「がんの目印(抗原)」は、従来は手術で摘出したがん組織から抽出した「自己のがん抗原」を用いるしかありませんでした。しかし90年代以降さまざまな「がんの目印」が発見され、人工的に合成することが可能になってきました。
これを「人工抗原」と呼びます。現在は世界中でさまざまな「人工抗原」が合成される時代となり、臨床研究が始まっています。

確かに「がん抗原」を身体に注射するがんペプチドワクチンの理論は大変期待されているのですが、実際の治療効果としては、ただ単純に「がんの目印」を身体に注射するだけでは、インフルエンザワクチンのように必ずしも体内の免疫細胞が認識してくれるわけではないことが報告されています(*)。
(*)Rosenberg SA. Nature Medicine 2004

その一つの理由として、がん細胞は、免疫から逃れるために自分の目印を隠そうとする「したたかさ」を持っていることが分かってきています。
そこで、がんワクチンとして用いるがん抗原は、身体のがん細胞がその目印を確実に持っていることだけではなく、がん細胞が隠す事が難しい目印を選択することが重要です。現在、このようないくつかの客観的指標に基づいて、優先的に用いるべき人工抗原はどれかについて、世界ランキング評価が行われています(**)。
なお、「WT1」は、この世界ランキングにおいて「第1位(最も優先的に用いるべき人工抗原)」に位置づけられており、セレンクリニックではこの「WT1」の一部である「WT1ペプチド」を使用することができます。
(**)Cheeve MA. Clinical Cancer Research 2009

WT1ペプチドの詳細はこちら

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Q、樹状細胞ワクチン療法と他のがん免疫療法の違いは?

A、がん免疫療法は、「特異的な治療かどうか」と「細胞を用いる治療かどうか」の2つの視点から、大きく4つに分類されます(下図をご参照下さい)。
樹状細胞ワクチン療法は、がん細胞だけを狙って攻撃する(特異的)、患者さまご自身の細胞を用いた最先端のがん免疫療法です。

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樹状細胞ワクチン療法は、(1)がん細胞に「特異的」に作用し、かつ(2)「細胞を用いている」という2つの大きな特徴を持つ点で、他のさまざまながん免疫療法と異なります。特に、その有効性に関する質の高いエビデンスが存在するがん免疫療法として、世界で注目されています。また、従来の抗がん剤のような重い副作用の心配がなく、QOL(生活の質)を維持しながらがん治療を行うことが可能です。

がん免疫療法の歴史

(1)がんに「特異的」に作用する(=特異的がん免疫療法)
「特異的」とは、がん細胞だけを狙って攻撃するという意味です。
これに対して、例えば通常の治療として用いられている抗がん剤は、正常な細胞にも影響しているため、白血球減少や粘膜障害、脱毛などさまざまな副作用が生じてしまいます。

21世紀に入り、「いかにして正常細胞に影響なく、がん細胞だけを攻撃するか」という「特異的」アプローチが、最新の科学や医学を駆使することでようやく医療現場で実現可能になってきました。
最新の抗がん剤「分子標的治療薬」は、がん細胞だけが持っている特異的な目印に対して作用する「特異的」抗がん剤として注目を集めています。

この流れは、同様にがん免疫療法の分野でも起こってきました。以前の「非特異的な」免疫療法では、からだ全体の免疫活性化しかできませんでしたが、90年代後半以降、がん細胞に特異的に作用し、免疫を高めようとする「特異的がん免疫療法」へと進化していきました。
これが、近年話題になっている"がんペプチドワクチン"であり、〝樹状細胞を用いたがんワクチン療法(樹状細胞ワクチン療法)″です。
すなわち「特異的がん免疫療法」とは、インフルエンザワクチン(ウイルス独自の目印を身体に注射する治療)のように、「がん細胞独自の目印(がん抗原)」を身体に注射することによって、体内の免疫細胞が、がん細胞だけを正しく認識できるようにするための治療法として開発されたのです。

(2)「細胞を用いる」免疫療法(=がん免疫細胞療法)
「細胞を用いる」とは、体内に存在する免疫細胞を利用したがん治療を意味します。
免疫細胞を用いたがん治療は、80年代の「活性化リンパ球療法」の出現とともにその治療効果が大変期待されました。これは、リンパ球ががん細胞を排除するのに最も重要な免疫細胞であることが判明したことによるもので、以降米国を中心に莫大な研究費が投じられてその有効性についての研究が長年行われてきていますが、活性化リンパ球療法単体での有効性はまだ明らかになっていません。

セレンクリニックが専門とする「樹状細胞ワクチン療法」は、特異的がん免疫療法の一つである"がんペプチドワクチン"を、自己の細胞(樹状細胞)を用いることによってさらに進化させたものです。すなわち最先端の「細胞を用いた特異的がん免疫療法」であり、これを、特異的がん免疫細胞療法と呼びます。として、現在、世界中で注目され、研究されています。

これまでの非特異的がん免疫療法は、単独で進行がんに対する有効性が証明されませんでした。
また、特異的がん免疫療法の一つ「がんペプチドワクチン」も、その有効性は期待されたほどの効果が得られていないと報告されています(*)。
(*)Rosenberg SA. Nature Medicine 2004

ところが2010年、米国の臨床試験において「特異的がん免疫細胞療法」である、樹状細胞を用いたワクチン療法による延命効果が明確に証明されたことを受け、米国で、前立腺がんに対する免疫療法が国レベルで承認されました(**)。
(**)Philip W. New Englanld Journal of Medicine 2010

このように、がん免疫療法の中で、唯一その有効性に関する質の高いエビデンスが存在する「特異的がん免疫細胞療法」である「樹状細胞ワクチン療法」は、世界中でより一層研究開発が行われるようになりました。

すなわち、この樹状細胞ワクチン療法は、
(1)特異的ながん免疫療法であること(正常細胞への影響なくがん細胞だけに特異的に作用する)、かつ
(2)細胞を用いたがん免疫療法であるため、副作用が少ないこと(自分自身の免疫細胞を用いてワクチンを作っている)、という大きな2つの特長で、他のさまざまながん免疫療法とは異なります。
現在、有効性に関する質の高いエビデンスが存在する唯一のがん免疫療法として世界で注目されているのです。

この治療法の特徴としては、自身の細胞を用いるため、専用の細胞培養施設や一定レベル以上の技術を持った専門スタッフが求められ、通常の薬剤のような大量生産ができないことです。我が国においても小規模の臨床試験は始まっていますが、より多くの患者さまに保険診療として提供できるようになるには、まだしばらく時間がかかるものと思われます。

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2011年2月 9日

治療説明会 開催案内

2011年1月29日(土)最新がん免疫細胞療法セミナー
※盛況のうちに終了いたしました。

さる1月29日(土)、東京池袋サンシャインシティ文化会館におきまして、最新がん治療セミナー「あきらめないがん治療」(主催:テラ株式会社)が開催されました。

当日は、ホリスティック医療の第一人者として名高い医療法人直心会 帯津三敬病院 名誉院長 帯津良一先生と、当院の高橋秀徳院長による講演を行いました。

帯津良一先生には、「ホリスティック医学のこれから ―場の戦略―」という演目で、「自然治癒のための場の重要性」、「治療の戦略」、「医療者の死生観」について、豊富なご経験の中からご説明いただきました。

高橋秀徳先生には、標準治療と呼ばれる3大がん治療の限界、これから求められる医療、そして免疫の力でがんをたたく当院の治療「樹状細胞ワクチン療法」についてご説明いただき、実際の症例を交え、講演していただきました。

参加者の方々からは質疑応答時間に多数の質問を寄せていただき、盛況のうちに終了することができました。まことにありがとうございました。

2011年2月 8日

費用例

あくまで参考例となります、実際の治療の組み合わせにつきましては患者さまのご希望をふまえ、医師と相談のうえ決めています。
セレンクリニック名古屋のがん治療は自由診療のため治療費は自己負担となりますが、所得税の還付が受けられる医療費控除の対象となります。
費用例


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